インタビュー


CASE1 有沢螢さんの場合

私は、歌壇と関わりなく、たった一人で6歳から歌を詠みつづけていましたが、ある方のすすめで、歌集出版を思い立ち、せっかく自費出版するのだから、歌集出版で実績のある版元にお願いしたいと考えました。
それが砂子屋書房さんで、結果としては正解でした。

そもそも、自費出版をすること自体が不本意でした。その頃は自費出版についての知識がなく、原稿がそろえば普通の出版社から出してもらえ、全国の書店に並び、しかも印税ももらえると思っていました。特に、書店に並ばないというのがいちばんひっかかりました。


いろいろな方から話を聞いて、自費出版についても理解できましたし、なにより砂子屋書房から出版すると歌壇の人に読んでもらえると伺いましたので。
今は少なくなった活版印刷(*1)で作ってくれるというのも魅力でした。


まず、原稿を見せたところ、その場で全体の構成から文字遣いまで、適切なアドバイスをいただきました。
私は、第一歌集『致死量の芥子』を、年齢不詳のイメージで出したかったのですが、「青春の思い出で終わらせたくなかったら、実年齢を明記すべきだ」と厳しく諭され、なるほどそうかと思い、あとがきや略歴も書くことにしました。それが読者への手がかりとなり、多くの方から反響をいただくことができました。
また、跋文を知己であった女優であり演出家でもある渡辺えりさんにお願いしたのですが、それだけでは読みの手がかりに足りないと言って、歌人の小池光氏、通信社記者の小山鉄郎氏、文芸評論家の樋口覚氏に栞文をお願いすることも提案してくださいました。


多くの出版社では、機械製本で本を作っているそうですが、砂子屋書房は一冊一冊手製本で仕上げているので、仕上がりがとても美しいところです。私はまだ上製本(*2)しか作ったことがありませんが、いつかフランス装(*3)の本も作ってみたいと思っています。
装幀は、こんなイメージで作って欲しいという希望は伝えるのですが、それ以外はおまかせなので、出来上がるまでスリリングですね。でも、三千冊に及ぶ本の装幀を手がけてこられた倉本修さんがやってくださるので、安心しておまかせしました。
また、最初に不満であった「書店に並ばない」という点も、書店流通のシステムを詳しくご説明いただき、安易にばら撒くだけでは、著者にとっても著作物である本にとっても不幸なことだと考えを改めました。
もちろん、注文があれば、全国どこの書店からも取り寄せが可能ということなので、安心しています。


砂子屋書房で第一歌集を出して、とても満足しましたので、当然第二歌集(*4)もぜひ砂子屋書房でと考えました。


これは、砂子屋書房に限らないのですが、とにかく出してみることですね。そうすると、思いがけない新しい世界が拓けます。
わたしもこの出合いにより、いろいろな方とご縁ができ、短歌結社「短歌人」に入ることもできましたし、歌人の黒瀬珂瀾さんからファンレターをもらうこともできました。それがとても励みになっています。

講堂に八百人の母がいて出産したる八百の顔    (『致死量の芥子』より)

*1 活版印刷とは、昔ながらの印刷方法で、文字をひとつずつ拾って並べ、印刷する方法。印刷面を触ると、わずかに凹みがみられる。しかし、現在の書籍のほとんどはオフセット印刷で作られている。
*2 上製本とは、表紙が堅い本のこと。当社の本は表紙を布でくるんだ布装が多い。
*3 フランス装とは、一見、並製本のようにも見えるが、作りは瀟洒であり、丈夫。今はフランス装の本を作る技術のある製本屋がほとんどない。
*4 有沢螢さんの第二歌集『朱を奪ふ』は、日本歌人クラブ東京ブロックの優良歌集賞を受賞しました。

いかがでしたか?
後悔しない信頼の自費出版を望んでいらっしゃる方は、
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必ず、大切な一冊をご満足のいく仕上がりで作らせていただきます。